院長 葛西 直亮
はじめに
私たちが携わっている脊椎(スパイン)は、体を支えるという目的以外に神経の通り道になっています。その部位に障害が生じると、神経痛やしびれ、上下肢の運動感覚障害、体動困難などの症状が起こります。このような症状に対し保存的治療(薬物療法や理学療法)には限界があり、長期にわたり苦しまれている方が多くいらっしゃいます。また脊椎外科手術は困難であるとの認識があり、強い不安を抱えられている方が少なくないと思います。当クリニックは脊椎疾患に特化したクリニックです。患者さん一人ひとりの生活背景や家族背景などを考慮し、個々の患者さんに合わせた治療を心掛けています。
山下公園スパインクリニック
院長 葛西 直亮(かさい なおあき)
信条
医師と患者さんはフィフティフィフティ(50対50)であるとの立場を貫きます。医師と患者さんは同じ目標を持って病気と共に闘う同志として信頼関係を築いた上で治療に携わっていきたいと考えます。
脊椎疾患に一緒に挑み、治していく戦友といっていいでしょう。
医師をはじめとした全スタッフが脊椎(スパイン)に専門化することで質の高い医療を提供します。
ご挨拶
私は1998年より整形外科医師としてスタートしました。医学博士号、海外留学等のキャリアはありませんが、幸運なことに3人の恩師にめぐりあい師事することができました。
- 古瀬清司先生(貢川整形外科 1998年-2006年)
- 駆け出しの私に脊椎外科のいろは(厳しさが多々あります)、脊椎外科の魅力を伝授して下さりました。早い段階で脊椎外科に特化できたのも恩師のおかげであります。教えの一つを論文にし、学会でawardをいただくこともできました。
- 三松輿道先生(大船中央病院 2002年-2006年)
- 関節外科、外傷、整形外科全般を教育して下さるにとどまらず、脊椎外科としては若輩の私に、手術できる環境をすべて整えてくださりました。現在鎌倉病院の院長をされており、今後は手術提携先病院となります。微力ながら恩返しをしたい所存であります。
- 大田快児先生(品川志匠会病院 2007年-2020年)
- より洗練された脊椎手術を目の当たりにし、衝撃をうけ弟子入りいたしました。現在私の外科的技術は恩師により叩き込まれたものであり、臨床現場での酸いも甘いも経験させてくださりました。
現在の豊富な症例数の礎となっております。
そしてなによりも現在まで我が身をゆだねてくださりました、患者さん皆様に心より感謝申し上げます。
略歴
- 1997年
- 帝京大学医学部卒業
- 1998年
- 東京医科大学整形外科学教室
- 2000年
- 貢川整形外科
- 2002年
- 大船中央病院
- 2007年
- 新横浜スパインクリニック
- 2013年
- 新横浜スパインクリニック院長
- 2009年
- 脊椎脊髄病手術手技学会 最優秀award受賞
- 2010年
- サンディエゴにてXLIFを見学し、日本人として初めて学会誌に紹介
資格・学会
- 専門医 認定医
-
- 日本整形外科学会専門医
- 日本整形外科学会脊椎脊髄病医
- 日本脊椎脊髄病学会指導医
- 所属
-
- 日本整形外科学会
- 日本脊椎脊髄病学会
- 日本脊椎・脊髄神経手術手技学会
生涯執刀件数
- 4805件
(助手は含まれず、葛西が執刀医としての件数) - 頸椎 894件、胸腰椎 3911件
提携医療機関
- 鎌倉病院 (手術提携先)
- メディカルスキャニング(画像撮影提携先)
- 関連機関と提携した手術 画像診断
-
他院と役割分担し連携することで以下のことが可能になります。
- 最新画像診断機器(3.0テスラMRIなど)による正確な診断
- 充実した設備とマンパワーによる安全で低侵襲な脊椎手術
提携機関の手術室と病床を利用し、院長の葛西が手術を執刀します。手術後の回診も葛西が行います。
手術について
手術ではいかに出血させず、いかに時間を短縮して患者さんの体に負担かけないこと、そして安全、確実な治療を心掛けています。 私たちの考える低侵襲手術とは、最小出血量、最短手術時間により早期退院、早期社会復帰を目指すものとしております。
コラム
椎間板ヘルニアの場合は白血球の貪食作用(異物を除去してくれる)によって、自然治癒を期待できます。椎間板ヘルニアの患者さんは薬で散らして3か月ほど様子を見ます。7~8割の方は改善します。麻痺が進行しているとき、痛みがコントロールされない場合手術加療を選択します。頚椎椎間板ヘルニアで頚椎前方固定術の場合、入院は4~5日。腰椎椎間板ヘルニアでヘルニア切除術の場合、入院は3~4日。いずれも低侵襲であります。
脊柱管狭窄症は加齢とともに脊柱管が狭くなるため、投薬や自然経過でそこが広がることはありません。また理学療法によって一時的に脊柱管が広がり楽になる場合がありますが、また時間が経つと再び狭くなっていきます。そんなことを繰り返して粘ってしまい長期にわたりやられてしまうと、神経細胞が壊れてしまう場合もありますから注意が必要です。例えば歩けなくなって1年経ってから手術をしても歩けるように回復しないのが一般的です。つまり神経が傷つき過ぎる前に手をうてばいいわけです。私たちは脊椎疾患に悩む患者さんが、手術後にQOL(生活の質)があがり、スポーツをしたり旅行にでかけたり、笑顔で過ごせる日常にもどせるよう取り組んでおります。患者さんと私たちは共に病気と闘う同志であり、戦友ですから。
脊椎圧迫骨折 椎体形成術(BKP椎体内セメント注入)を行います。BKPの手術は20分程度で終わります。それまでは激痛で動きに制限があった方が、術後すぐに退院していきます。魔法にかかったようだという患者さんもいるほどで、治療効果の高い手術です。
以前は80歳になると手術困難とされたこともありましたが、低侵襲手術のため80代の方でもQOL(生活の質)を上げていくことができます。ですから高齢になってもあきらめないであまり悪くならないうちに受診してください。