こんな症状はありませんか?
- 突然の激しい背中や腰の痛みがある
- 痛みのため立ち上がりや歩行が困難になっている
- 身長が縮んだ感覚がある
- 背中が丸くなってきた
- 痛みが長期間続く
- くしゃみや咳をすると痛みが増す
- 腰を曲げると痛みが和らぐ など
脊椎圧迫骨折とは

脊椎圧迫骨折は、背骨(脊椎)の骨がつぶれたように変形する骨折です。主に胸椎や腰椎で起こり、骨の強度が低下することで、通常なら問題ないような軽い衝撃でも骨折してしまう状態を指します。
なりやすい方
- 高齢者の方(特に65歳以上の女性)
- 骨粗鬆症の診断を受けている方
- 過去に脊椎圧迫骨折の経験がある方
- ステロイド薬を長期間使用している方
- 喫煙者の方
- アルコールを多く飲む方
- 運動不足の方 など
脊椎圧迫骨折の危険性
放置した場合のリスク
脊椎圧迫骨折を放置すると、以下のような問題が起こる可能性があります。
- 慢性的な痛みが続く
- 姿勢が悪くなり、猫背が進行する
- 身長が低くなる
- 肺の容量が減少し、呼吸機能が低下する
- 消化器系の問題(胃食道逆流など)が起こる
- 日常生活動作に支障をきたし、生活の質が低下する
- 他の部位での骨折リスクが高まる など
腰の痛みがある方は、お早めの受診を
上記のような問題が起きる理由の1つは、圧迫骨折によって骨の配列(アライメント)が崩れたまま固まってしまうからです。このような状態になると、薬などを使う保存的治療だけでなく、手術でも症状を改善するのが難しくなります。
しかし脊椎圧迫骨折と気づかないまま、痛み止めなどを飲んで放置をしている人は少なくありません。早期の脊椎圧迫骨折は、近年の医療の進歩により、短時間の手術(1時間以内)でも痛みの軽減が期待できるようになりました。くれぐれも腰の痛みは放置せず、早い段階での専門医療機関の受診をおすすめします。
脊椎圧迫骨折の原因
脊椎圧迫骨折の原因としては、以下のようなことが挙げられます。
骨粗鬆症
骨粗鬆症は脊椎圧迫骨折の最も一般的な原因です。骨の密度と強度が低下することで、日常生活での軽い衝撃でも骨折しやすくなります。骨粗鬆症が原因で起きる脊椎圧迫骨折を骨粗鬆症性椎体骨折と呼びます。このようなケースでは背中から腰部にかけての痛みが生じ、背中を曲げたり反らせたりといった体幹の動きを伴う様々な動作で痛みが伴います。一方で特に痛みを自覚しておらず、レントゲン検査などで発見されることも多いため注意が必要です。
外傷
転倒や交通事故などの外傷により、脊椎に強い力が加わることで骨折が起こることがあります。骨粗鬆症がある場合は、より軽微な外傷でも骨折のリスクが高まります。
長期のステロイド使用
ステロイド薬を長期間使用すると、骨の形成が抑制され、骨量が減少します。これにより骨が弱くなり、圧迫骨折のリスクが高まります。
がんの骨転移
がんが骨に転移すると、骨の強度が低下し、圧迫骨折のリスクが高まります。特に乳がん、前立腺がん、肺がんなどでは骨転移のリスクが高いとされています。
当院の脊椎圧迫骨折の治療
脊椎圧迫骨折の治療は、痛みの軽減、骨折の治癒促進、そして今後の骨折予防を目的として行います。横浜市中区の山下公園スパインクリニックでは痛み止めの処方などの保存的治療だけでなく、総合病院と連携した院長・葛西による手術にも対応しています。
前述したような症状にお悩みの際は、お気軽に当院までご相談ください。
保存的治療
- 痛み止めの処方:痛みを和らげ、QOL(生活の質)を改善します
- コルセットの装着:背骨を固定し、痛みを軽減しながら骨折の治癒を促進します
- 安静と適度な運動:過度の安静は避け、痛みの範囲内で徐々に活動量を増やしていきます など
骨粗鬆症治療
脊椎圧迫骨折には骨粗鬆症を原因とするものが少なくありません。そのような場合は、根本原因である骨粗鬆症の治療を行う場合があります。
- 骨粗鬆症薬の処方:骨の強度を高め、今後の骨折リスクを低減します
- カルシウムやビタミンDのサプリメント:骨の健康維持に必要な栄養素を補給します など
生活指導
転倒予防のための環境整備や、日常生活での注意点をアドバイスします。
禁煙指導や適度な運動の推奨など、骨の健康を維持するための生活習慣改善をサポートします。
BKP(経皮的バルーン椎体形成術)
早期の脊椎圧迫骨折の他、重症例や保存的治療で改善が見られない場合に検討します。骨折した脊椎に特殊なセメントを注入し、脊椎の高さを回復させ、痛みを軽減します。