歩行障害とは
歩行障害とは、スムーズに歩くことが困難になった状態を指します。以下の項目に心当たりのある方は、歩行障害に該当する可能性があります。
- ふらつきや転倒が多い
- 歩幅が小さい
- 足を引きずることが多い
- 人より歩くスピードが遅い
- バランスを取りにくい
- 歩く際に痛みを感じる など
歩行障害の原因となる病気

歩行障害の原因となる病気には、当院のような整形外科で診るものと整形外科以外の診療科で診るものがあります。
整形外科で診る病気
変形性膝関節症
階段の上り下りや長時間の歩行時などに膝の痛みを感じるほか、膝がこわばったり、水がたまったりすることもある病気です。主に加齢や膝の使い過ぎにより、膝の軟骨がすり減ることで発症します。放置すると症状が進行し、歩行が著しく困難になる可能性があります。また膝の変形が進み、手術が必要になることもあります。
腰部脊柱管狭窄症
間欠性跛行と言って、歩くと足がしびれたり痛くなったりし、休むと楽になる症状のほか、以前と比べて長時間歩けなくなるなどの症状が現れる病気です。加齢などにより脊柱管(背骨の中の神経が通る管)が狭くなり、神経を圧迫することで起こります。放置すると症状が悪化し、歩行距離がさらに短くなったり、排尿障害などの症状が現れたりすることがあります。
変形性股関節症
歩き始めや長距離を歩いた時などに起こる股関節の痛みにより、股関節の動きが制限され、足を開いたり閉じたりすることが難しくなったりする病気です。加齢や股関節の使い過ぎなどにより、股関節の軟骨がすり減ることで起こります。放置すると痛みが強くなり、歩行が著しく困難になる可能性があります。また、股関節の変形が進むと、手術が必要になることもあります。
整形外科以外で診る病気
パーキンソン病
主に神経内科で診る病気で、歩き出しが遅くなる、小刻み歩行などが現れます。脳内のドーパミンという神経伝達物質が減少することで発症し、放置すると症状が進行し、歩行だけでなく、姿勢の異常や手の震えなども強くなり、日常生活全般に支障をきたすようになります。
脳梗塞後遺症
主に脳神経外科で診る病気で、片側の手足に麻痺が残り、歩行時にバランスを崩しやすくなります。また、足を引きずるような歩き方になることがあります。脳の血管が詰まることで(脳梗塞)、脳の一部が損傷を受けることにより起こります。リハビリテーションが遅れると、麻痺の症状が長引いたり、二次的な合併症(関節の拘縮など)が起こったりする可能性があります。
当院の治療
横浜市中区の山下公園スパインクリニックでは、整形外科的な歩行障害に対して、以下のような治療を行っています。
歩行障害は早期発見・早期治療が重要です。歩行障害の原因が整形外科領域以外の場合でも適切な医療機関をご紹介しますので、疾患が症状でお悩みの際は、お気軽に当院にご相談ください。
詳細な診断
レントゲン、MRI・CT検査などを行って、症状の原因を正確に診断します。
保存的治療
- 薬物療法:痛みや炎症を抑える薬を処方します
- リハビリテーション:筋力強化や関節の可動域改善を目指します
- 装具療法:必要に応じて、歩行をサポートする装具を作製します など
注射療法
ヒアルロン酸注射や神経ブロック注射など、症状に応じた注射治療を行います。
手術
保存的治療で改善が見られない場合、人工関節置換術、椎弓切除術、椎弓形成術といった手術を検討します。
生活指導
日常生活での注意点や、自宅でできる運動療法などをアドバイスします。
定期的な経過観察
治療効果を確認し、必要に応じて治療計画を調整します。