山下公園スパインクリニック

ドクターズインタビュー |横浜市中区の整形外科・脊椎外科は山下公園スパインクリニック

ドクターズインタビュー

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院長インタビュー

「出会い」に導かれた
脊椎外科医への道

「出会い」に導かれた
脊椎外科医への道

医師の道を志したのはどうしてですか?

医師の道を志したのはどうしてですか?

両親が医師だったので、自然と目指していました。父の専門が胸腹部外傷外科だったこともあり、私も外科への憧れを抱くようになりました。しかし臨床研修を回る中で、整形外科で感じた「患者さんが元気になって帰る場所」という印象が忘れられず、医学部を卒業後は東京医科大学で整形外科を学びました。

脊椎外科の領域に進むことになったのは、次に勤務した整形外科の病院で脊椎手術を目の当たりにしたからです。決定打となったのは2007年の大田快児先生との出会いでした。先生の洗練された脊椎手術を目の当たりにして衝撃を受け、この分野により専門的に打ち込もうと決心したのです。

なぜ開業することにしたのですか?

自分が診察や手術を担当した患者さんの生涯を、責任を持って見届けたいと考えたからです。

開業する前は、脊椎手術に特化した医療法人志匠会が運営する新横浜スパインクリニックで院長を務めていたのですが、雇われの身である以上はいつ系列の病院に転属になるかもわかりません。「主治医として患者さんを最後まで見届けたい」という、私の理想の医師像を実現するには開業する必要があったのです。

とは言え、かなり悩みました。小規模なクリニックでは手術の設備を整えるのは難しく、かと言って新しく有床クリニック(※)を始めるのは簡単なことではないからです。

そこで思いついたのが、今の当院の体制でした。

(※)入院設備のあるクリニック

外科医だからこそ手術室に「情」を持ち込む

外科医だからこそ
手術室に「情」を持ち込む

診療体制についてお聞かせください

月・水・金・土は外来診療を、火・木は提携先の鎌倉病院で当院の患者さんの手術を実施するというものです。手術の際は看護師も病院に同行し、手術室での業務から術後のケア・フォローまでを当院のチームが一貫して担います。

また入院中の方の状態は、手術の曜日はベッドサイドに行って、外来の曜日は医院からリモートで毎日確認します。

このような体制を取っているのには理由があります。大半の開業医というのは、腕の良い先生であってもメスを置いてしまうものです。しかし私が「開業後も外科医として手術を続ける」というスタイルを確立できれば、業界の常識が変わるのではないか。そんな期待も持って挑戦しています。

診療の時に大切にしていることは?

診療の時に大切にしていることは?

患者さんに「情」を持つことです。人間はトラブルが起きた際、早くその場を回避したいがために、うまく取り繕って事態を収拾しようとしますが、医療の現場でこんなことをすれば患者さんに皺寄せが及びます。しかし患者さんに「情」を持ち、家族のように思っていれば、どんな状況でもベストを尽くそうとするはずです。

だから手術日の朝は必ず患者さんの元へ行き、世間話などをして笑顔をインプットしますし、普段の診察でもお一人おひとりの患者さんにたっぷりと時間をかけます。すべては妥協のない治療のためです。

執刀医だからこそ見極められる
「手術が必要か否か」のボーダーライン

執刀医だからこそ見極められる
「手術が必要か否か」のボーダーライン

手術以外の治療でも手術の経験は役立つ?

手術以外の治療でも手術の経験は役立つ?

もちろん役立ちます。手術を専門とするクリニックにいらっしゃる患者さんは、大抵の場合「手術をしなければ症状の改善が見込めない」という方です。その中には術後すっかり症状が改善する方もいれば、手術をするのが遅くなったことが原因で、症状が残ってしまう方もいました。そのたびに「もっと早く来てくれていれば」と悔しい思いをしたものです。

だからこそ当院では、保存的治療を行っても症状の改善が見られない方やむしろ悪化している方に対して、私の経験に基づいて「このままでは良くない結果を招くから、手術を検討してみませんか」と提案するようにしています。

これは、執刀医としての経験があるからこそできることだと考えています。

やはり手術はした方が良いのでしょうか?

一概には言えません。ですから基本的にはいきなり手術するのではなく、痛み止めの薬などの保存的治療で必ず経過を診てから判断します。

例えば椎間板ヘルニアでは、保存的治療を続けるうちに自然と症状が治まるケースがあります。一方で脊柱管狭窄症も保存的治療で経過を見ますが、こちらは自然治癒することはありません。

脊柱管狭窄症で問題なのは、長い間症状と付き合い、状態が悪化してから手術を受ける患者さんが少なくないことです。長い間神経が圧迫されていたので、そこから手術をしても症状が残ってしまう可能性があるのです。

だからこそ問診や検査、理学療法士との連携などを通じて、適切なタイミングを見極めることが大切です。

「理学療法士との連携」とは?

「理学療法士との連携」とは?

レントゲンやMRI・CTといった画像検査も非常に重要ですが、当院では理学療法士がリハビリを通じて患者さんから得た情報も積極的に活用しています。

当院のリハビリテーション科では、手技によるリハビリを重要視しています。理学療法士が実際に患者さんの体に触れ、そこから伝わる微細なサインを診断に活用するのです。こうしたアプローチを「構造的アプローチ」と言います。

医師はチームの司令塔ではありますが、決して万能ではありません。だからこそ他の医療スタッフと連携して、多角的に患者さんの体を診ていくことが大切だと考えています。

「保存的治療で十分」なケースも
必要なのは、過度に恐れないこと

「保存的治療で十分」なケースも
必要なのは、過度に恐れないこと

手術のベストタイミングは?

手術のベストタイミングは?

完全な線引きは非常に難しいのですが、日常生活に支障が出ていれば、手術が必要だと私は考えます。

例えば脊柱管狭窄症であっても、ゴルフで18ホールすべてが回れて、痛みなどの症状がたまに出る程度という方や、保存的治療を受けなくとも、日常生活に支障が出ていない方であれば、経過を見て良いでしょう。ただし痛み止めの薬や神経ブロック注射がなければ生活できない、治療期間も長引いているという方は手術が必要だと思います。狭窄の度合いが軽症でも、痛みが強いのであれば手術を提案します。

当院では患者さんお一人おひとりの病状、職業、家族構成といった生活背景を考慮した上で、術後の対処法まで含めた最善と言える手術計画の立案を心がけています。

脊椎の手術はやはりリスクが高い?

私が脊椎外科の道に進んだ20年以上前は、確かに手術はリスクの高い治療方法でした。だからこそ「脊椎の手術=車椅子生活になる」と考えている方や、保存的治療だけで脊柱管狭窄症を治そうとする方がいらっしゃるわけです。

もちろん、手術をする以上リスクがないわけではありません。しかし医療が進歩した現代では、かつてよりも安全性は格段に向上しています。また「低侵襲脊椎手術」と呼ばれる、患者さんへの体の負担が軽く、術後の回復も早い手術方法もあります。過度に怖がる必要はありません。

「自分に合った整形外科」を選ぶ
生涯手術件数も1つの指標に

「自分に合った整形外科」を選ぶ
生涯手術件数も1つの指標に

HPをご覧の方へメッセージをお願いします

HPをご覧の方へメッセージをお願いします

これは整形外科に限った話ではありませんが、クリニックや病院は自分に合ったところを選ぶのが一番です。ではどうやって自分に合っているかどうかを判断するのかと言えば、直感です。ホームページを見たり、実際に話したりしてビビッと来たら、一度通って見れば良いのです。

ただ外科医に関しては、生涯手術件数が1つの指標になります。私の経験上、例え話し方がどんなに不器用そうな先生でも、執刀した件数が多い人の方がその分だけ外科医としての引き出しは豊富と言えます。「現役かどうか」という意味で、月平均、年平均の手術件数も重要な指標です。

ぜひ「手術が必要です」と言われた時の参考にしてみてください。