ペインクリニック外来とは

ペインクリニック外来は、慢性的な痛みでお悩みの方々を専門的にサポートする診療科です。痛みは私たちの生活の質を大きく左右する重要な問題です。当院のペインクリニック外来では、痛みの原因を突き止め、適切な治療を提供することで、患者さんのQOL(生活の質)の向上を目指しています。
こんな時はペインクリニック外来へ
以下のような症状でお悩みの方は、ぜひペインクリニック外来をご利用ください。
長期間続く痛み(1か月以上)
ぎっくり腰と思っていた腰痛が1か月を過ぎても良くならない、肩こりが半年以上続いているなど、通常なら治まるはずの期間を過ぎても痛みが続く場合。
原因がはっきりしない痛み
「レントゲンを撮っても異常が見つからない」「血液検査の結果も正常なのに痛い」など、はっきりとした原因が見つからないにもかかわらず痛みが続く場合。
一般的な痛み止めが効かない痛み
市販の痛み止めや、かかりつけ医から処方された薬を使っても痛みが和らがない、あるいは効果が短時間しか続かないような場合。
日常生活や仕事に支障をきたすほどの痛み
痛みのために歩くのが困難、長時間座っていられない、仕事に集中できない、家事ができないなど、普段の生活に大きな影響が出ている場合。
神経の障害による痛みやしびれ
手足がピリピリとしびれる、電気が走るような痛みがある、触っても痛いなど、神経が関係していると思われる症状がある場合。
手術後も続く痛み
手術をして傷は治ったはずなのに、手術部位やその周辺に痛みが残っている場合。例えば、ヘルニアの手術後も腰痛が続くといったケースが該当します。
ペインクリニック外来での治療
ペインクリニック外来では、患者さんお一人おひとりの状態に合わせて、様々な治療方法を組み合わせて対応します。主な治療法には以下のようなものがあります。
薬物療法
痛みの種類や原因に応じて、適切な薬を処方します。一般的な鎮痛剤であるアセトアミノフェンやNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)、神経の痛みに効果的な抗てんかん薬や抗うつ薬の一部、そして強い痛みに対する医療用麻薬(オピオイド)などがあります。
神経ブロック療法
痛みを伝える神経の働きを一時的に止める注射治療です。例えば肩の痛みに対する星状神経節ブロックや、腰痛に対する硬膜外ブロック、椎間関節ブロックなどがあります。痛みの原因となる部位に直接注射を行うことで、即効性のある痛み軽減効果が期待できます。
リハビリテーション
痛みを和らげ、身体機能を回復するために、ストレッチや筋力トレーニングを組み合わせた運動療法などを行います。
生活指導
日常生活での注意点や、痛みと上手に付き合うコツをアドバイスします。正しい姿勢や動作の指導、睡眠の質を向上させるアドバイス、ストレス管理の方法など、日常生活に関わる様々な側面からサポートします。
当院のペインクリニック外来

横浜市中区の山下公園スパインクリニックでは、上記のような治療を通じて症状を和らげ、患者さんが抱えている痛みのお悩みを少しでも軽くできるようサポートを行います。
しかし一方で、こうした治療の限界を見極めることも、ペインクリニックとして大切だと考えています。なぜなら整形外科で診る病気から来る痛みは、体が発信するSOSでもあるからです。痛み止めやブロック注射によってそのSOSを見て見ぬふりをすれば、それだけ神経に負担がかかってしまう可能性があるのです。
そのため当院では保存的治療でカバーできる限界をしっかりと見極めた上で、手術も含めた、より長期的な視点に立った治療提案を心がけています。