成人脊柱変形
成人脊柱変形は、背骨が前後や左右に湾曲してしまう疾患です。1方向だけでなく、3次元的に捻じれてしまうこともあります。小児期にみられる側弯症が進行して成人脊柱変形になるケースだけでなく、中高年になって発症するケースもあります。男女ともに起こりますが、特に中年以降の女性によく見られます。
成人脊柱変形になると、腰痛が起こったり、背中に痛みが走ったり、足が痺れたりします。さらに、逆流性食道炎や前方注視障害を伴うこともあります。そのため、積極的に治療を進めていきます。症状がそれほど強くなく、日常生活にも特段の支障をきたしていないときは薬物療法や理学療法、リハビリテーションなどを行います。痛みなどが強く表れているときは手術がお勧めです。
骨粗鬆症性椎体骨折(圧迫骨折)
骨粗鬆症になると、骨量が減少して骨が弱くなります。その結果、特に大きな外的圧力がかかるなどの原因がないにもかかわらず、ちょっとした圧力だけで脊椎の椎体部分が押しつぶされて生じる骨折を骨粗鬆症性椎体骨折と呼びます。
これにより、背中から腰部にかけての痛みが生じ、背中を曲げたり反らせたりといった体幹の動きを伴う様々な動作で痛みが伴います。椎体の後壁まで骨折が及ぶ場合には、神経への障害や脊髄損傷を起こすこともあります。但し、特に痛みを自覚しておらず、エックス線撮影などで発見することも少なくありません。
骨粗鬆症性椎体骨折の治療法は、患者さんの年齢や骨折の程度によって多少の違いはありますが、通常はまず安静にし、ギプスやコルセットを使用します。脊柱管内に骨片が突出し、麻痺が生じているような場合には外科的手術が必要になることもあります。