こんな症状はありませんか?
- 手や指のしびれや痛みを感じる
- 手先の細かい動作(ボタンかけ、箸の使用など)が難しくなる
- 歩行時にふらつく、つまずきやすくなる
- 足がもつれたような感覚がある
- 首や肩のこり、痛みがある
- 腕や足に力が入りにくい
- トイレの回数が増えた、または我慢できなくなった など
頸椎症性脊髄症とは

頚椎症性脊髄症は、首の骨(頸椎)の中を通る脊髄が圧迫されることによって痛みや神経症状が生じる病気です。脊髄は、脳からの指令を体に伝える重要な役割を果たしているため、圧迫されると首だけでなく手足の機能に問題が生じます。欧米人よりも日本人の方が脊柱管が小さい傾向があり、脊髄症になりやすいとされています。
なりやすい方
- 中・高齢者の方
- デスクワークなど、首に負担のかかる仕事をしている方
- 首の怪我や手術の経験がある方
- 首に負荷のかかりやすいスポーツ(柔道、レスリングなど)をしている方
- 首の骨の形に先天的な異常がある方 など
頚椎症性脊髄症の危険性
頚椎症性脊髄症は、適切な処置を受けずに放置すると以下のような問題が生じる可能性があるため、注意が必要です。
- 手足の麻痺が進行し、日常生活動作が困難になる
- 歩行障害が悪化し、転倒のリスクが高まる
- 排尿・排便障害が進行する
- 症状が重度になると、手術が必要になる可能性が高まる
- 最悪の場合、四肢麻痺に至ることもある など
頸椎症性脊髄症の原因
頸椎症性脊髄症の原因としては、以下のようなものが考えられます。
加齢による変性
年齢を重ねると、首の骨や軟骨、靭帯が徐々に変性します。これにより脊柱管(脊髄が通る通路)が狭くなったり、骨の変形が生じたりして脊髄を圧迫します。
椎間板ヘルニア
首の骨と骨の間にあるクッションの役割をする椎間板が、正常な位置から飛び出すことを椎間板ヘルニアと言います。これが脊髄を圧迫することで頸椎症性脊髄症と同様の症状が現れる場合があります。長年の負担や急激な動作が原因となることがあります。
後縦靭帯骨化症
背骨の後ろにある靭帯(後縦靭帯)が骨のように硬くなり、脊髄を圧迫することで、頸椎症性脊髄症と同様の症状が現れる病気です。遺伝的な要因や生活習慣が関係していると考えられていますが、詳しい原因はまだわかっていません。
頸椎の不安定性
首の骨のつながりが不安定になると、骨がずれやすくなります。これにより脊髄が圧迫されたり、首の動きに伴って繰り返し刺激を受けたりすることで症状が現れます。
当院の頸椎症性脊髄症の治療
病状に合わせた対応が可能な治療体制
頸椎症性脊髄症の治療に関しては、まず消炎鎮痛剤による薬物療法や装具を着用する保存的治療を行います。しかし、日常生活に大きな支障をきたすような時には手術による治療が効果的です。また進行度合いによっては、早期のうちに手術を検討する場合もあります。
横浜市中区の山下公園スパインクリニックでは、初診から保存的治療、手術や術後のケアに至るまで、一貫して院長・葛西が担当します(理学療法・リハビリテーションは専門のスタッフが対応)。
患者さんのお仕事や普段の生活、病気の経過を踏まえた上で、痛みやお気持ちに寄り添った対応を心がけていますので、頸椎症性脊髄症の症状にお悩みの際はお気軽にご相談ください。
頚椎症性脊髄症の治療
頸椎症性脊髄症の治療は、症状の程度や進行速度、患者さんの年齢や全身状態などを考慮して選択します。
保存的治療
- 装具療法:頸椎カラーを装着して首の動きを制限し、脊髄への負担を軽減します
- 薬物療法:痛みや炎症を抑える薬、神経の働きを改善する薬などを使用します
- リハビリテーション:首まわりの筋力強化や柔軟性の向上を図ります など
手術治療
保存的治療で改善が見られない場合や、症状が進行性の場合に検討します。主な手術方法として、以下のようなものがあります。
- 前方除圧固定術:前から骨や椎間板を取り除き、人工骨などで固定します
- 椎弓形成術:後ろから脊柱管を広げ、脊髄の圧迫を和らげます など
術後のリハビリテーション
手術後は、首の筋力強化や日常生活動作の改善を目的としたリハビリテーションを行います。
生活指導
日常生活での注意点(姿勢、運動方法など)をアドバイスし、症状の再発や進行を予防します。