排尿障害(尿が出にくい)とは
排尿障害とは、尿を出す際に問題が生じている状態を指します。具体的には以下のような症状が該当します。
- 尿の出始めに時間がかかる
- 尿の勢いが弱い
- 尿が途中で途切れる
- 尿が出切らない感じがする
- 頻繁にトイレに行きたくなる
- 夜間に何度もトイレに起きる など
これらの症状により、日常生活に支障をきたしたり、睡眠の質が低下したりすることがあります。
排尿障害(尿が出にくい)の原因となる病気

排尿障害の原因となる病気は多岐に渡ります。当院のような整形外科で診るものに加え、泌尿器科や神経内科で診るものもあります。
整形外科で診る病気
腰部脊柱管狭窄症
腰痛や足のしびれに加えて、排尿障害が現れることがある病気です。特に尿が出にくくなったり、尿意を感じにくくなったりします。加齢などにより脊柱管(背骨の中の神経が通る管)が狭くなり、膀胱を制御する神経が圧迫されることで起こります。放置すると症状が進行し、排尿障害が悪化する可能性があります。最悪の場合、尿閉(尿が全く出なくなる状態)や尿失禁を引き起こすこともあります。
腰椎椎間板ヘルニア
腰痛や下半身のしびれとともに、排尿障害が現れることがある病気です。尿が出にくくなったり、尿意を感じにくくなったりします。腰の骨と骨の間にあるクッションの役割をする椎間板が飛び出して、膀胱を制御する神経を圧迫することで起こります。放置すると神経への圧迫が長期間続くことで、排尿障害の慢性化、悪化を招く可能性があります。
整形外科以外で診る病気
前立腺肥大症
主に泌尿器科で診る病気で、尿の勢いが弱くなったり、尿が出切らない感じがしたり、頻繁にトイレに行きたくなるなどの症状が現れます。加齢とともに前立腺が肥大し、尿道を圧迫することで起こります。放置すると症状が徐々に悪化し、尿閉や尿路感染症を引き起こす可能性があります。また膀胱や腎臓に負担がかかり、機能低下を招くこともあります。
神経因性膀胱
主に泌尿器科や神経内科で診る病気で、尿が出にくい、尿意を感じにくい、または逆に頻繁に尿意を感じるなどの症状が現れます。脳卒中、パーキンソン病、多発性硬化症などの神経疾患により、膀胱を制御する神経系に障害が起こることで発症します。放置すると尿路感染症や腎機能障害のリスクが高まるほか、突然の尿失禁により日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。
当院の治療
横浜市中区の山下公園スパインクリニックでは、整形外科的な原因による排尿障害に対して、以下のような治療を行っています。
排尿障害は症状が進行する前に発見・治療を行うことが重要な症状です。「尿のことで相談するのが恥ずかしい」と我慢せず、お気軽に当院にご相談ください。
詳細な診断
MRIやCTなどを用いて、脊椎の状態を正確に診断します。また、必要に応じて泌尿器科と連携し、尿流動態検査などを行います。
保存的治療
- 薬物療法:神経の炎症を抑える薬や筋肉の緊張を和らげる薬を処方します
- リハビリテーション:骨盤底筋体操など、排尿機能の改善を目指した運動療法を行います
- 生活指導:適切な水分摂取や排尿習慣の指導を行います
- 神経ブロック療法:痛みの原因となっている神経の近くに薬を注射し、症状を和らげます など
手術
保存的治療で改善が見られない場合、脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアに対する手術(除圧術など)を検討します。
他科との連携
必要に応じて泌尿器科や神経内科と連携し、総合的な治療を行います。
定期的な経過観察
治療効果を確認し、必要に応じて治療計画を調整します。